ドローイン・ストップ(足上げ)のコツと正しいやり方
ドローイン・ストップは、仰向けに寝た状態で腹部を深く収縮させ、その安定を保ったまま脚を動かす体幹トレーニングです。 「ドローイン」によってお腹を凹ませ、天然のコルセットと呼ばれる腹横筋を活性化させた状態で脚の重みに耐えることで、より高度な体幹の制御能力を養うことができます。 地味な動きに見えますが、腰椎を内側から支える「腹圧」をダイレクトに強化できる非常に効率的な運動です。
【専門職の視点】 理学療法士として15年の現場経験に基づき、腰椎の保護と体幹強化を両立させるポイントをまとめています。この図解素材が、皆様の安全なトレーニングや、リハビリテーションの解説資料としてお役に立てれば幸いです。
① ドローイン・ストップで意識する筋肉
このエクササイズの最大のターゲットは、お腹の深層にある腹横筋(ふくおうきん)です。 息を吐ききってお腹を凹ませることで、この筋肉が背骨を包み込むように働き、腰椎の安定性を高めます。 また、脚を持ち上げる動作が加わることで、股関節の屈曲筋群(腸腰筋など)が働きますが、これに負けずに体幹を固定し続けることで、腹直筋や腹斜筋も協調して強化されます。これにより、外部からの衝撃を吸収できる「強い体幹」が作られます。
② 正しい手順とポイント
- 床に仰向けに寝て、両膝を軽く立てる(腰への負担を減らすため)
- 鼻から息を吸い、口からゆっくりと吐きながら、お腹を床に押し付けるように極限まで凹ませる
- お腹を凹ませた状態(ドローイン)をキープしたまま、片脚ずつゆっくりと床から持ち上げる
- 太ももが床に対して垂直になる程度まで上げ、腰が床から浮かないように耐える
- 持ち上げた脚をゆっくりと元の位置に戻し、反対の脚も同様に行う
動作中の最も重要なポイントは、「腰と床の間に隙間を作らない」ことです。 脚を持ち上げる際に腰が反ってしまうと、腹圧が逃げてしまい、逆に腰を痛める原因になります。 お腹を凹ませる力で腰椎を床にピタッと貼り付けるイメージを持ち、衝撃を吸収する腹圧を意識し続けましょう。
③ 回数とセット数の目安
【しっかり腹圧を鍛えたい方向け】
左右交互に10〜15回を1セットとし、休憩を挟んで3セットを目安に行います。 脚を上げている時間は2〜3秒停止(ストップ)させることで、筋肉への刺激をより深めることができます。 スポーツのパフォーマンス向上や、本格的な腰痛予防を目指す方に適した設定です。
【運動不足解消・優しく始めたい方向け】
まずは左右5回ずつからスタートしましょう。 回数よりも「お腹が凹んでいるか」「腰が浮いていないか」というフォームの質を重視します。 1〜2セットを毎日継続することで、日常動作の中での体幹の使い方が自然と身についていきます。
④ 他に期待できるメリット
ドローインによって腹圧が高まると、内臓が本来の正しい位置へと誘導され、ポッコリお腹の解消や便通の改善といった副次的なメリットも期待できます。 また、骨盤周りの安定性が増すことで、歩行時の足の出しやすさや、階段昇降時の膝への負担軽減にもつながります。
⑤ ご利用上の注意
足を持ち上げた際に腰に鋭い痛みを感じる場合は、すぐに中止してください。 また、血圧が高い方は呼吸を止めすぎないよう注意し、細く長い呼吸を続けながら行ってください。 ※本記事は一般的な運動の紹介であり、特定の疾患を治療するものではありません。痛みがある場合は無理をせず、医師や理学療法士などの専門家にご相談ください。
⑥ 継続することで得られるメリット
ドローイン・ストップを習慣化することで、無意識のうちに体幹を安定させるスイッチが入るようになります。 これにより、重い荷物を持った時や不意にバランスを崩した時でも、腰を痛めにくい強靭な身体へと変化していきます。 「PT’s Kin-Free Studio」のイラスト素材を活用し、正しいフォームを確認しながら、安全で効果的なトレーニングを続けていきましょう。
