つま先上げ運動の正しいやり方|つまずきを予防し歩行を安定させるコツを理学療法士が解説
こんな悩みはありませんか?
- 何もない平らな道で、つい「つまずいて」しまう
- 階段や段差を上るとき、足先が引っかかる気がする
- スリッパが脱げやすくなった、または足が重く感じる
そんな方におすすめなのが、椅子に座ったままできる「つま先上げ運動(足関節背屈運動)」です。足首を反らす筋肉を鍛えることで、つまずきを未然に防ぎ、スムーズで軽やかな歩行をサポートします。
つま先上げ運動は、かかとを支点にして足先をゆっくりと持ち上げるエクササイズです。 非常に小さな動きですが、「転倒を予防し、一生自分の足で歩き続ける」ために欠かせない、リハビリテーションの現場でも最重要視されるトレーニングの一つです。
【専門職のアドバイス】
理学療法士の視点では、つまずきの原因の多くは「足首を反らす力の低下」にあります。すねの筋肉が弱くなると、歩くときに足先が地面に近くなり、わずかな段差にも引っかかりやすくなります。この運動で「足先を上げるスイッチ」を再起動しましょう。
① 足先のコントロールを担う「前脛骨筋」
つま先上げ運動の主なターゲットは、すねの前面にある「前脛骨筋(ぜんけいこつきん)」です。
つまずきを防ぐ「ストッパー」の役割
前脛骨筋は足首を手前(上)に引き上げる役割を持っており、以下のような場面で活躍します。
- 歩行時のクリアランス:脚を前に出す際、つま先が地面にこすれないよう持ち上げる。
- 着地の安定:かかとから安全に着地できるよう、足首の角度を調整する。
- バランス維持:体が後ろに倒れそうになった時、踏ん張って姿勢を立て直す。
② 理学療法士直伝!正しいつま先上げの手順
- 基本姿勢:安定した椅子に浅めに腰かけ、背筋を伸ばします。
- 足のセット:両足を肩幅に開き、膝を約90度に曲げて、足の裏全体を床につけます。
- つま先を上げる:かかとは床にしっかりつけたまま、つま先をゆっくりと限界まで持ち上げます。
- キープ:すねの筋肉が「キュッ」と硬くなっているのを感じながら、2〜3秒静止します。
- ゆっくり戻す:反動を使わず、2〜3秒かけてじわじわと元の位置に戻します。
ポイント:指先だけを丸めるのではなく、「足首そのものを反らす」意識で行うと、前脛骨筋にしっかり刺激が入ります。
③ 目的別の回数目安
すねの筋肉は疲れやすい部位でもあるため、無理のない回数から始めましょう。
- しっかり足運びを整えたい方:2〜3秒キープ × 10回(2〜3セット)
- 日々のリフレッシュ・維持に:リズムよく丁寧な上げ下げ × 15〜20回(1〜2セット)
④ ここに注意!よくあるNGパターン
効果を正しく引き出すために、以下のポイントを確認してください。
- かかとが浮いてしまう:かかとが浮くと、ふくらはぎの運動(かかと上げ)になってしまいます。かかとは床に固定しましょう。
- 膝が動いてしまう:脚全体を持ち上げるのではなく、足首だけの動きで行うのが正解です。
- 勢いで動かす:パタパタと速く動かすと筋肉への負荷が減ります。戻す時もゆっくり丁寧に行いましょう。
⑤ コンディショニングへのメリット
つま先上げを習慣にすると、足首の柔軟性が維持されやすくなります。また、歩行時にかかとから着地する理想的な歩き方を意識しやすくなるため、足裏全体や膝への衝撃分散にもつながります。
⑥ あわせて行いたい下半身トレーニング
足首の前後バランスを整えることで、より転倒しにくい体を作れます。
⑦ 安全に行うための注意点
足首、すね、膝に鋭い痛みがある場合は中止してください。
※本記事は一般的な健康維持を目的とした運動紹介です。足首の捻挫後や関節疾患などがある方は、医師や理学療法士の指導に従ってください。
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「つまずきゼロ」の快適な歩きを目指して
つま先上げ運動は、椅子に座りながら、あるいはデスクワークやテレビ鑑賞の合間にできる非常に効率的なセルフケアです。すねの筋肉は小さいですが、その働きは一生の歩行を支えます。毎日少しずつ「足先の筋力貯金」を積み重ねて、安全で活動的な毎日を送りましょう。
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