【第4回】股関節の詰まりを解消!理学療法士流のお尻を鍛える美歩行ケア

ハーフスクワットをするイラスト。理学療法士が制作したセルフケアに最適な自主トレ素材。商用無料・白背景・フラットデザインの高品質なフリー画像。

1. はじめに:股関節は「動力の源」

「最近、階段の上り下りがしんどくなってきた……」

「歩いていると、すぐ足が疲れてしまう……」

こんにちは、理学療法士の陽耀(Haruki)です。

5日間プログラムも第4回。首、胸、腰と整えてきたあなたは、すでに自分の体の変化に敏感になっているはずです。

今日のテーマは、上半身と下半身をつなぐ「股関節」です。

理学療法士として多くの歩行分析を行ってきましたが、足が重い、歩幅が狭いと感じる方の多くは、股関節の「前側の筋肉」が硬く縮んでしまっています。

ここでもう一度、大切にしたいマインドを振り返りましょう。

それは、「目標をしっかり持って継続すること。でも、その考えだけに縛られないこと」です。

「今日は1万歩歩かなきゃ」という目標に縛られて、痛みを抱えながら歩く必要はありません。大切なのは、目標という灯台を見据えつつ、「今の自分の股関節はスムーズに動いているかな?」と自分をケアする余裕を持つことです。100歩の正しい歩きは、1万歩の無理な歩きに勝ります。


2. 股関節の「黄金ルール」:前を緩めて、後ろで押す

股関節をスムーズに動かすためには、ブレーキを外すことが先決です。

  1. 緩める(ストレッチ): 足の付け根にある、股関節を引き込む筋肉の緊張をリセットする。
  2. 鍛える(筋トレ): 体を前に進めるための、お尻の大きな筋肉にスイッチを入れる。

座っている時間が長いと、足の付け根は常に「くの字」に曲がったまま。この縮んだ筋肉を先に緩めないと、どんなにお尻を鍛えても、足は後ろにスムーズに伸びてくれません。


3. 【第4回:緩める】足の付け根の「詰まり」をとるワーク

まずは、座りっぱなしで最も縮みやすい、足の付け根の深層部にある筋肉(腸腰筋)を緩めましょう。ここが伸びると、腰への負担も一気に軽くなります。

【ワーク:片膝立ちの付け根伸ばし】

【手順】

  1. 床に片膝を立ててつきます(膝が痛い場合はクッションを敷いてください)。
  2. 反対の足は前に出し、ゆっくりと体重を前へ移動させます。
  3. 後ろについている足の、足の付け根の深層部にある筋肉(腸腰筋)が「じわーっ」と伸びるのを感じましょう。
  4. 背中を丸めず、上半身を真っ直ぐ保ったまま深呼吸を3回繰り返します。

ポイント:

腰を反らせるのではなく、「おへそを前に突き出す」イメージで行うと、深層部までしっかり伸びます。


4. 【第4回:鍛える】力強い一歩を作る「お尻のエンジン」

付け根が緩んだら、次は体を前へ押し出す「最強のエンジン」を起動させます。

狙うのは、お尻を覆う最も大きな筋肉(大殿筋)です。

【筋トレワーク:椅子スクワット(ハーフ)】

  1. 椅子の前に立ち、足を肩幅に開きます。
  2. 両手は胸の前でクロスまたは前に伸ばし、お辞儀をするように「お尻を後ろへ突き出しながら」ゆっくり腰を下ろします。
  3. 椅子に座る寸前で止め、お尻を覆う最も大きな筋肉(大殿筋)に力が入っているのを感じながら、足の裏全体で地面を蹴って立ち上がります。
  4. 立ち上がった瞬間に、お尻の穴を締めるようにグッと力を入れます。
  5. 5〜10回繰り返します。

5. 理学療法士の視点:お尻が変われば一生歩ける

なぜお尻の筋肉が重要なのか。それは、お尻を覆う最も大きな筋肉(大殿筋)が、人間が二足歩行をするための最大の安定装置だからです。

ここがサボると、膝や腰が代わりをしようとして痛みの原因になります。

仕組みがわかれば安心ですよね。お尻を鍛えることは、膝や腰への「未来の保険」をかけているのと同じなのです。


6. 継続のヒント:「立ち上がる瞬間」を儀式にする

「下半身のトレーニング」と思うと構えてしまいますが、もっと気楽に考えてみましょう。

  • 椅子から立ち上がる時: 毎回、お尻をギュッと締めてから立つ。
  • 歩いている時: 「いつもより5センチ後ろに足を残す」意識で歩く(付け根のストレッチ)。

目標(灯台)に縛られず、日常の動作を少しだけ「丁寧」にする。その積み重ねが、気づいた時には「最近、歩くのが楽しくなったな」という最高の結果を運んできてくれます。


7. 第4回のまとめ:軽やかなフットワークを実感する

今日のメニュー、お疲れ様でした!

今、その場で足踏みをしてみてください。足が軽く、高く上がりやすくなっていませんか?

  • 緩める: 足の付け根の深層部にある筋肉(腸腰筋)を伸ばしてブレーキを外す。
  • 鍛える: お尻を覆う最も大きな筋肉(大殿筋)を呼び覚ましてエンジンをかける。
  • マインド: 数より質。自分の体の「動きやすさ」を面白がる。

8. おわりに:明日はついに「全身の統合」フィナーレへ

明日の最終回では、これまでの総仕上げとして「足の裏から頭のてっぺん」までを繋ぎます。

太ももの裏の筋肉(ハムストリングス)を緩め、太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)を整え、全身を統合するワークです。

5日間、自分と向き合ってきた集大成。

それでは、また明日お会いしましょう。今日頑張って体を支えてくれた足とお尻を、お風呂の中でゆっくり労わってあげてくださいね。