【第3回】腰の負担を軽減!理学療法士が勧めるお腹のインナーマッスル筋トレ

理学療法士監修:体幹、腹筋を鍛えて、きれいな姿勢を保つ自主トレイラスト素材。腹横筋の筋トレをするイラスト。理学療法士が制作したセルフケアに最適な自主トレ素材。商用無料・白背景・フラットデザインの高品質なフリー画像。

1. はじめに:腰は「頑張りすぎ」の結果を背負っている

「夕方になると腰がズーンと重くなる……」

「椅子から立ち上がる時に、つい腰をさすってしまう……」

こんにちは、理学療法士の陽耀(Haruki)です。

5日間プログラムの第3回、折り返し地点まで来ましたね!首、胸と整えてきて、少しずつ「自分の体を意識する時間」が日常に馴染んできたのではないでしょうか。

今日のテーマは、文字通り体の「要(かなめ)」である腰とお腹です。

理学療法士として多くの腰のお悩みを見てきましたが、共通しているのは「腰の筋肉が休み方を忘れてしまっている」ということです。

ここで改めて、このシリーズの合言葉を確認しましょう。

それは、「目標をしっかり持って継続すること。でも、その考えだけに縛られないこと」です。

「今日こそは絶対に腹筋をやらなきゃ」と自分を追い詰める必要はありません。腰が重い時は「あ、今日は少し頑張りすぎたかな」と自分を労わるサインだと捉えてください。灯台(目標)は逃げません。無理をせず、一歩ずつ自分のペースで進むことが、結果として一番早く「楽な体」にたどり着く道になります。


2. 腰の「黄金ルール」:固まった背中を先に緩める

腰の安定を作る際、いきなり腹筋運動を始めるのは逆効果になることがあります。

なぜなら、腰を後ろから支える筋肉がガチガチに固まったままだと、お腹側の筋肉がうまく働けないからです。

  1. 緩める(ストレッチ): 腰を後ろから支える強力な筋肉の緊張をリセットする。
  2. 鍛える(筋トレ): お腹の深層部にある「天然のコルセット」を呼び覚ます。

この「後ろを緩めて、前を安定させる」という順番が、腰への負担を劇的に減らす鍵となります。


3. 【第3回:緩める】腰の突っ張りを取り除くワーク

まずは、重たい上半身を支えるために、常にフル稼働している腰を支える背中の筋肉(脊柱起立筋)を緩めましょう。ここは、意識的に「脱力」させてあげることが大切です。

【ワーク:椅子に座ったまま腰まるめストレッチ】

【手順】

  1. 椅子に浅めに座り、足を肩幅より少し広めに開きます。
  2. 息をゆっくり吐きながら、おへそを覗き込むようにして、背中を丸めながら上半身をゆっくり前に倒していきます。
  3. 両腕は足の間にダランと垂らし、頭の重みを利用して腰のあたりが「じわーっ」と伸びるのを感じましょう。
  4. その状態で、腰に空気を送り込むようなイメージで深呼吸を3回繰り返します。

ポイント:

無理に深く倒そうとせず、「重力に身を任せる」感覚が重要です。腰を支える背中の筋肉(脊柱起立筋)がふんわりと解けていくのを感じてください。


4. 【第3回:鍛える】天然のコルセットを巻く「お腹のスイッチ」

腰が緩んだところで、次は体の中側から腰を安定させる「天然のコルセット」にスイッチを入れます。

狙うのは、お腹の最も深いところにある筋肉(腹横筋)と、脇腹を支える筋肉(腹斜筋)です。

【筋トレワーク:ドローイン&ツイスト】

  1. 背筋を伸ばして座るか、仰向けに寝ます。
  2. 鼻から息を吸い、口から細く長く吐きながら、お腹を凹ませていきます。
  3. これ以上吐けないというところまで凹ませ、お腹の最も深いところにある筋肉(腹横筋)に力が入っているのを感じながら、さらに軽く上体を左右に数センチずつひねります。
  4. この「ひねり」を加えることで、脇腹を支える筋肉(腹斜筋)も同時に呼び覚まされます。
  5. 5秒キープを5回繰り返します。

5. 理学療法士の視点:なぜ「腹筋」ではなく「お腹を凹ませる」のか?

一般的な「腹筋運動(上体起こし)」は、時として腰を痛める原因になります。理学療法士としておすすめしたいのは、こうした「お腹を凹ませる力(腹圧)」を高めることです。

仕組みを知れば安心です。

お腹の最も深いところにある筋肉(腹横筋)が働くと、お腹の中から圧力がかかり、背骨を内側から支えてくれます。これが、まさに「天然のコルセット」です。この仕組みが働いていれば、重い物を持った時や、長時間座っている時でも、腰の筋肉が「頑張りすぎる」必要がなくなるのです。


6. 継続のヒント:「息を吐く」ことをリマインダーにする

「腹筋トレーニングをする時間」を確保しようとすると、つい縛られてしまいますよね。そこで、日常の「当たり前の動作」をスイッチにしましょう。

  • パソコンで重いファイルを開く時: 待ち時間に1回だけお腹を凹ませる。
  • 立ち上がる瞬間: フーッと息を吐いてお腹に力を入れてから動く。

目標(灯台)を忘れずに、でも「頑張りすぎない」。

この「ついで」の意識が、あなたの腰を一生守ってくれる強固な基礎を作っていきます。


7. 第3回のまとめ:安定した土台を手に入れる

今日のメニュー、お疲れ様でした!

今、立ち上がってみてください。腰のあたりが軽く、スッと背筋が伸びる感覚はありませんか?

  • 緩める: 腰を支える背中の筋肉(脊柱起立筋)を丸める動きでリセット。
  • 鍛える: お腹の深いところにある筋肉(腹横筋)と脇腹を支える筋肉(腹斜筋)を呼び覚ます。
  • マインド: 痛みや重だるさは「労わりのサイン」。自分を責めずに調整する。

腰が安定すると、歩幅が広がり、活動的な毎日が戻ってきます。


8. おわりに:明日は「股関節と歩き」を軽やかに

明日の第4回では、下半身の要である「股関節」にアプローチします。

足の付け根の筋肉(腸腰筋)を緩め、お尻の大きな筋肉(大殿筋)を鍛えるワークです。ここが整うと、足の運びが驚くほど軽くなりますよ。

それでは、また明日お会いしましょう。今日もしっかり頑張ったご自身の腰を、優しく労わってあげてくださいね。