四つ這い運動(バードドッグ)の効果と正しいやり方
四つ這い運動は、床に手と膝をついた姿勢から腕や脚を動かすことで体幹を鍛える自主トレーニングです。 リハビリテーションやコンディショニングの現場でも広く用いられており、 腰や関節への負担が比較的少ないため、運動初心者から体力づくりを目的とした方まで取り入れやすい運動として知られています。
① 四つ這い運動で鍛えられるメインの筋肉
四つ這い運動の主なターゲットは腹横筋や多裂筋といった体幹のインナーマッスルです。 これらの筋肉は、背骨や骨盤を安定させる役割を担っており、 姿勢保持や動作時のバランス調整に欠かせません。 体の内側から支える力を養うことが、この運動の大きな目的です。
② 四つ這い運動の正しい運動方法
- 床に四つ這いになり、手は肩の真下、膝は股関節の真下に置く
- 背中を丸めたり反らせたりせず、背骨をまっすぐ保つ
- 片方の腕と反対側の脚をゆっくり持ち上げる
- 体幹を安定させたまま、持ち上げた姿勢を保つ
- ゆっくり元の姿勢に戻し、反対側も同様に行う
腕や脚を上げる時も下ろす時も、いずれの動作もゆっくりとコントロールして行います。 腰痛などの疼痛がなく、動作が安定して行える方は、 それぞれ2〜3秒かけて持ち上げ、10秒キープし、2〜3秒かけて戻すことを意識しましょう。 反動を使わないことで体幹への刺激が高まります。
③ 回数とセット数の目安
【筋力向上・姿勢改善を目的とする方】
腕と脚を持ち上げた姿勢で10秒キープし、ゆっくり元に戻します。 左右各10回を1セットとし、慣れてきた方は3セット行うと効果的です。 体幹の安定性が高まり、姿勢改善を目的としたトレーニングに適しています。
【体力・持久力の向上・健康維持向け】
全体を同じリズムで、ゆっくりとした動作を繰り返します。 2〜3秒かけて持ち上げ、5〜6秒キープして、2〜3秒かけて戻す動作を連続して行います。 左右各10〜20回を1セットとし、慣れてきた方は3セット行うと効果的です。
④ 他に効果が期待できる部位
四つ這い運動では体幹に加え、殿筋群、肩周囲筋、背筋群も協調して働きます。 左右の手足を交互に動かすことで、身体の左右バランスが整いやすくなり、 歩行や日常動作の安定性向上にもつながります。
⑤ 禁忌・注意点
手首や膝に強い痛みがある場合は無理に行わないようにしてください。 また、腕や脚を高く上げすぎると腰を反らせてしまう原因になります。 背中が大きく動かない範囲で行い、違和感や痛みが出た場合は中止しましょう。
⑥ 鍛えることで得られる効果と姿勢への影響
体幹のインナーマッスルが鍛えられることで、背骨と骨盤の安定性が高まり、 座位や立位姿勢が崩れにくくなります。 腰への負担軽減やバランス能力の向上にもつながり、 四つ這い運動は「動ける体」を支える基礎づくりとして非常に有効な運動です。